この物語と会話はフィクションです。

金曜日、21時すぎ。
あかりはスマホを伏せて、また表に返した。昨日送った「日曜、どうする?」に、まだ返事はない。友達から届いた映画の誘いにも、返せずにいた。
向かいのなつが、湯気の立つマグを置いた。
あかり
もう一回、日曜どうするって聞いていいかな。返事がないと、ほかの予定も入れづらくて
なつ
だったら、明日の昼までに……
そこまで言って、なつは口を止めた。先に答えを出そうとしていた。
なつ
あ、先に決めちゃった。映画の誘いも来てるんでしょ? そっちはどうしたい?
あかり
映画、行きたい。……でも、会えるなら会いたいんだよね
なつ
そっか。どっちも行きたいよね。日曜の予定、いつごろ決めたい?
あかりは鞄から手帳を出した。書きたいことは、思っていたよりも短かった。
01分かっていること
日曜の予定を聞いた。まだ返事は届いていない。
02気になること
ほかの予定を、いつ決めていいか分からない。
03自分の希望
会えるなら会いたい。明日の昼には、自分の予定も決めたい。
あかり
明日の昼までに決めたい、って伝えてみる。返事がなかったら、映画に行こうかな
なつはうなずいた。あかりは一度書いた文章を読み直して、「日曜どうなりそう? ほかの予定も決めたいから、明日のお昼くらいまでに分かると助かるよ」と書き直した。
なつ
映画、行くなら感想聞かせて。私も気になってたやつ。
「なつも一緒に行けばいいじゃん」
あかりはそう言って、マグに手を伸ばした。
スマホは、少しのあいだ伏せておくことにした。
ひとりで考えるのに、少し疲れたら
